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分詞と関係代名詞の話 分詞の表現上の限界について [英文法]

こんにちは。

前回準動詞の話をしたときに、
分詞についても少し触れましたが、
今回はそれをもう少し深めた話をします。

最近、分詞を教えた直後に関係代名詞を教える機会があったのですが、
その時の導入として用意した話になります。

高校英文法では、リード系の問題集などを筆頭に、
分詞→分詞構文→関係代名詞
という単元の並びになっていることがしばしばあり、
中学の英文法では分詞構文が無いので、 分詞の直後に関係代名詞を扱う可能性はまあまあ高いです。

本題に入りましょう。



分詞と関係代名詞は基本的に仲間です。
どちらも名詞を修飾するので、
形容詞の限定用法と同様の文法的性質を持っていると言えます。

従って、日本語訳の仕方もほとんど同じであり、

分詞/関係代名詞の訳を先に書いてから、
修飾されている名詞の訳をくっつければ良い、

ということになります。

ですが、分詞と関係代名詞には表現可能な範囲で決定的な差があります。
分詞には表現できない形式の文が存在しますが、
関係代名詞ならそういった文でも表現できるようになっています。


例を見てみましょう。

・ a running boy 
走っている男の子
・ the letter written by him 
彼によって書かれた手紙

分詞ですが、runningとwrittenの動作主に該当するのは修飾対象のboyとletterです。
writtenについては「意味上の主語」はhimといってもいいかもしれませんが、
ここではあくまで「書かれた」の主語という意味で、
「writtenの主語はletter」と言わせていただきます。
The letter was written by him . という文なら文法上の主語は the letter ですよね。

基本的に分詞による修飾は、
修飾対象=動作主という構造の表現しか作れません。

分詞は修飾対象を主語として、
それに応じて現在分詞を使うのか、
過去分詞を使うのかの文法上・あるいは意味上の制限が働いて表現が決定します。
言語学あたりで言うところの選択制限に近いイメージです。


ですので、英語と日本語のなるべく直訳的な対応をさせようとすると、
「彼によって書かれた手紙」ではなく、
「彼が書いた手紙」である場合、
分詞では表現できません。
修飾語は「手紙」、
wroteの主語は「彼」ですからね。

あるいは、「彼が手紙を書くのに使ったペン」といった文も、
基本的には分詞では表現できません。
何かしら無理矢理やればできるかもしれませんが、
一般的な表現ではなくなると思います。

この記事のタイトルにある「表現上の限界」とは、
以上のような分詞ではうまく表現できない文の存在を意味しています。

こうした修飾対象≠動作主の文は、
関係代名詞の目的格用法を使えば表現できます。

・the letter (which) he wrote 
彼が書いた手紙

・the pen (which) he wrote the letter with 
彼が手紙を書くのに使ったペン
この文は次のように表現しても良いかと思います。
・the pen (which) he used to write the letter 


関係代名詞の主格用法は、実質的に分詞と同じ表現方法といえます。

・a running boy
= a boy who is runnnig

・the letter written by him
=the letter which was written by him

関係詞節から関係代名詞とbe動詞を除いて、
1語しか残らない場合は位置を変えれば、
関係代名詞と分詞の書き換えは終了です。

修飾対象=動作主 という構造が分詞と共通なのが、
関係代名詞の主格用法です。

関係代名詞の所有格用法についてですが、 これを使って表現する「屋根の赤い家」みたいな日本語は、 そもそも分詞の入る余地がありません。
これもまた分詞の表現上の限界の一例といって差支えないと思います。


分詞の方が不便そうに見えるかもしれませんが、
分詞は表現できる範囲が狭い代わりに、
関係代名詞の主格より語数の少ない効率的な表現ができます
語数制限のある英作文なんかは分詞が正解になるはずです。

関係代名詞の目的格を使わずに、
能動態を受動態に切り替えて分詞で表現するテクニックもありますから、
分詞の出番もそう少なくはないと思います。

両者の性質をよく理解し、
うまく使い分けていきながら、
文法問題や英作文に取り組んでもらえれば良いかと思います。

それでは。

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